ぎふ・プロジェクトネットワーク| 岐阜県の広報活動を通じ、地域経済活性化に貢献するNPO法人です。

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高校生との協働で
つくだ煮をふりかけにした新商品を開発

 創業明治10年の老舗で、鮎惣菜の専門店である「鵜舞屋」と岐阜県立東濃実業高等学校が産学連携の中で、鮎をテーマにした商品開発プロジェクトを進めています。今回は、その取り組み内容をご紹介します。

鵜舞屋×東濃実業高等学校

 鵜舞屋にとっては、これまでインターンシップの受け入れの経験はありますが、高校生との協働による商品開発は初めてのチャレンジです。鵜舞屋の森幹啓社長は、「初めての高校生との取り組みということで、しっかりとした意見交換が出来るか?話をしっかり理解して聞いてくれるのか?不安要素がたくさんありました。でも一緒に開発をする中で、そんな思いはすぐに吹き飛びました。3年生ともなると、基礎がしっかり積みあがっています。事前の下調べもきちんとしてくれていて、想像以上にスムーズに進めることができました。あいさつもしっかりしていますし、東濃実業の生徒は社会で即戦力になると感じました」と生徒たちとの出会った最初の印象について語ってくれました。

つくだ煮は食べたことがないけれど、
ふりかけはよく食べている

岐阜県の特産である鮎を使って何ができるのか。プロジェクトに関わったのは、ビジネス管理科起業創造類型に所属する生徒です。6班にわかれたグループからは、実に200を超えるアイデアが出されました。その中からすべての班からアイデアとして提案された“つくだ煮のふりかけ”をテーマに商品開発すること決まりました。「生徒たちにヒアリングしたところ、半分以上の生徒がつくだ煮は食べたことがないという回答がありました。でも、おかずがあるにもかかわらず、ご飯にはふりかけをかけるという習慣はあります。つくだ煮をふりかけに変化させて食べるという発想は、高校生だから出てきたアイデアです。当社で、どれだけ商品開発会議をしても、決して出ることのなかったアイデアだと思います」と森社長はテーマ選定の理由を振り返ってくれました。

 

本気で考えた自由な発想力に
子どもたちの成長を見る

 開発のテーマが決まれば、いよいよ試作に入ります。つくだ煮をベースにしながら、風味や食感をどのようにつけていくか。鷹の爪、ネギなど様々な組み合わせを試しながら、鮎の味を残すには、味と香りが強すぎない素材のほうがよいという結論を導き出し、しょうがとゴマをアクセントに加えることにしました。生徒の指導を担当する馬場聖臣先生は、「森社長の頭の中には、ある程度ストーリーが決まっていたと思います。それが見えないように包み込みながら、生徒自身が自ら開発したという充実感、達成感を感じられるように上手に導いてくれました。どんなアイデアも握りつぶすことなく、受け入れてくれましたから、子どもたちも自由に発想することができたのだと思います」と、生徒たちの成長を実感しています。

食べ方の提案が商品開発のテーマになる

 新商品を“ふりかけ”に決めたのは、若い世代による新しい発想を活かすことに加え、ひろがりが感じられることも理由の1つでした。森社長が、「消費頻度をあげることが、商品回転率につながります。それが、今後の商品開発のテーマになると思います」というように、ふりかけ=ご飯だけではないひろがりをいかにアピールできるかが大きな課題になります。これについても、パスタやサラダ、ピザなど生徒たちから様々な食べ方のアイデアが出されました。「中にはふりかけを使ってクッキーを作るという大胆な発想もありました。これが食べてみると、本当においしい。おつまみになるクッキーがあるなんて、実によく考えられていました」と、生徒たちの本気度に感心していました。

プロジェクトを通じて感じた達成感や充実感は
生徒たちにとって大きな財産

 新商品のネーミングは「あゆっころ」に決まりました。ふりかけというとサラサラしたイメージが一般的ですが、このふりかけはアクセントを出すため、小さくした鮎の身も入っていてコロコロした食感があります。そこからイメージしたもので、ネーミングも生徒たちのアイデアから決定したものです。

 森社長はプロジェクトを進めるにあたって、「やるからには一儲けするぞ」と声を掛けました。生徒たちは、その言葉が心に響き、熱心に取り組みました。森社長のいう一儲けとは、何もお金のことだけを言っているのではありません。「利益はお客様の満足量です。商売を通じてつながる人脈も儲けです。最後は人が大事。それがわかってくれたらうれしいです」と森社長。馬場先生は、「森社長の熱い人柄に引っ張られて、生徒たちもどんどんのめり込んでいきました。森社長の“作らせてあげたい”という気持ちと、生徒たちの“作りたい”という気持ちが、うまくかみ合ったと思います。学校としてはプロジェクトを通じて得られる充実感や達成感が儲けなのだと理解しています。そして、生徒たちが感じた充実感や達成感を1年生や2年生に伝えていくことは学校として大きな財産になると思います」と語り、生徒たちがさらに成長することを期待しています。

 鵜舞屋と東濃実業高校の共同開発による新商品「あゆっころ」は10月上旬からの発売を予定。イオンやキヨスクの販売コーナーでは、生徒たちが考えた様々なレシピもPOPとして店頭を彩る予定になっています。